「情緒障害者」を対象とする特別支援学級の名称について(通知)
20文科初第1167号
平成21年2月3日
各都道府県教育委員会教育長 殿
各都道府県知事 殿
附属学校を置く各国立大学法人学長 殿
文部科学省初等中等教育局長
金森越哉
「情緒障害者」を対象とする特別支援学級の名称について(通知)
「情緒障害者」を対象とする特別支援学級(以下、「情緒障害特別支援学級」とする。)については、学校教育法第81条第2項及び「障害のある児童生徒の就学について」(平成14年5月27日付け14文科初第291号、以下「291号通知」という。)により、対象とすべき障害の程度を定め、各学校において対象となる児童生徒一人一人のニーズに応じた適切な指導が行われてきているところです。
自閉症等(自閉症及びアスペルガー症候群などのそれに類するもの、以下同じ。)を対象とする特別支援学級については、これまで、「主として心理的な要因による選択性かん黙等があるもので、社会生活への適応が困難である程度のもの」とともに対応する学級として、「情緒障害特別支援学級」等の名称が用いられてきましたが、在籍者数などの実態を踏まえ、「自閉症・情緒障害特別支援学級」という名称とし、以下のように取り扱うこととしました。
各都道府県教育委員会及び都道府県知事におかれては、域内の市町村教育委員会、所管又は所轄の学校及び学校法人等への周知にもご配慮ください。
記
1.情緒障害特別支援学級における障害種の明確化
291号通知において、特別支援学級の対象としている「キ 情緒障害者」を、「キ 自閉症・情緒障害者」と改める(別紙1参照)。
2.留意事項
(1)1.の取扱いは、現行の特別支援学級の枠組みや対象となる障害の程度等を変更するものではなく、各学校においては従前どおり、設置している学級において、一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導を実施するものとすること。
(2)各都道府県教育委員会及び都道府県知事におかれては、特に情緒障害特別支援学級を設置している学校に対し、上記の趣旨を周知するとともに、各学校に対し適切な対応がなされるよう助言すること。
ただしこの取扱いについては、現在各学校において情緒障害特別支援学級に対して使用している学級名(「わかくさ学級」「なかよし学級」などの呼称)を変更するものではないこと。(対応例としては、学校要覧や学校案内のパンフレットなどに、「情緒障害特別支援学級」の表記がある場合に、修正等の適切な対応を求めることなどが考えられる。)
(3)国連において毎年4月2日が「世界自閉症啓発デー」とされたことを受け、各都道府県教育委員会及び都道府県知事におかれては、域内の学校、教職員、保護者等に対し、自閉症を含む発達障害についての正しい理解啓発を促進するよう努めること(別紙2参照)
その際、(独)国立特別支援教育総合研究所に開設した「発達障害教育情報センター」(http://icedd.nise.go.jp/blog/)等を積極的に活用すること。
【本件連絡先】
初等中等教育局特別支援教育課
発達障害支援係
【変更の内容】
「障害のある児童生徒の就学について」
(平成14年5月27日付14文科初第291号 初等中等教育局長通知)
第1 障害のある児童生徒の就学すべき学校の決定及び障害の判断に当たっての留意事項
2 小学校又は中学校への就学
a 特殊学級 (注)現在の特別支援学級
(1)障害の種類及び程度
【変更前】
キ 情緒障害者
一 自閉症又はそれに類するもので、他人との意思疎通及び対人関係の形成が困難である程度のもの
二 主として心理的な要因による選択制かん黙等があるもので、社会生活への適応が困難である程度
のもの
【変更後】
キ 自閉症・情緒障害者
一 自閉症又はそれに類するもので、他人との意思疎通及び対人関係の形成が困難である程度のもの
二 主として心理的な要因による選択制かん黙等があるもので、社会生活への適応が困難である程度
のもの
「世界自閉症啓発デー」について
平成19年12月18日に国連総会において、平成20年度以降、毎年4月2日を「世界自閉症啓発デー」(World Autism Awareness Day)とすることが決議された。
【決議された事項】
1 4月2日を「世界自閉症啓発デー」とし、平成20年度以降毎年祝うこととする
2 自閉症への一般の認識を高めるよう、すべての加盟国や国連その他の国際機関、またNGOや民間団体を含む市民社会が、「世界自閉症啓発デー」を適切な方法によって祝うことを促進する
3 自閉症の子どもについて、家族も含めた社会全体への意識啓発のための手だてを加盟国がとるよう促す
4 事務総長に対し、この決議をすべての加盟国及び国連の機関に注意喚起するよう要求する